日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
VR による実建築空間の知覚再現性に関する実験研究
河邊 右近大崎 淳史
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 30 巻 p. 89-95

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抄録

本研究では,空間の知覚特性の観点から VR による実空間の再現性を明らかにする。VR 空間による検証実験を行い,実環境下の結果と比較・考察することで VR による実建築空間の知覚再現性にかかる基礎資料を得ることを目的とする。検証実験として,VR 空間の容積に関する実験(実験1),VR空間の印象評価に関する実験(実験2)の一対比較実験を行った。その結果,実験1では VR 空間において,プロポーションの異なる等容積の二つの空間の容積を比較した場合,実空間と同様,床面積の広い(横長断面の)空間よりも床面積の狭い(縦長断面の)空間の方が同じか大きいと知覚され,二つの空間の3次元的なプロポーションの違いが大きいほど容積比較が困難となる傾向がみられた。実験2では VR 空間においても二つの空間の天井高がともに2700以上の場合は床面積が大きい空間の方が「ゆったりとしている」と評価される場合が多くみられた。

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