日本インテリア学会 論文報告集
Online ISSN : 2435-5542
Print ISSN : 1882-4471
近傍視野の情報取得と歩行者挙動の連関
古川 尚亮高柳 英明山田 昇吾木原 己人
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 30 巻 p. 83-88

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抄録
都市部への人口集中に伴い,鉄道駅構内の通路空間における慢性的な混雑が問題視されている。また,近年の通路空間では,映像表示機器を用いた情報提供が行われ,歩行者に対する視覚的な情報量の増加は,歩行者の注意力を散漫にさせる要因として挙げられる。本研究は,通路空間における歩行者の安全・快適性を向上させるべく,視覚による情報取得に基づく歩行特性の一端を明らかにすることを目的とした。歩行者の進行方向と情報取得のために注視する方向のなす角に着目し,通常の歩行と視覚による情報取得が可能な視野を近傍視野と定義した。歩行者の注視点の位置と歩行運動の変化に関する被験者実験を実施し,計測された歩行運動の統計解析を通じ,近傍視野の角度を推定した。分析結果より,通常時と同程度の歩行をしつつ,視覚による高精度な情報取得が可能な水平近傍視野の外側角は,進行方向に対して30度以上60度未満であると示唆された。
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© 2020 日本インテリア学会
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