1989 年 45 巻 11 号 p. 837-844
Jost解と物理波を用いることにより、弾性係数が1次元的かつ連続的に変化する弾性体を伝搬するP+SV波の反射・透過係数を定義し、これらがすでに確立されているB.N.L.Kennettの離散定式化によるものと同じ性質を持つことを理論的に示した。このような定義を用いると、1)弾性係数の分布が滑らかである場合には、多くの行列の積として求める離散化定式化による方法に比べて、単に数値積分を行うことで求めることができるので、計算時間が短縮できる。2)P+SV波による逆問題にGel'fand-Marchenko理論を適用できる可能性がある等の利点が期待できる。