1994 年 51 巻 1 号 p. 25-33
閉空間内の共鳴時の音響エネルギーを最小にするアクティブ制御手法を実現するために、その原理、効果などを境界要素法による数値計算手法を用いて予測する手法について検討し、実験的に確認する。まず波動方程式を内部問題として解く場合に問題となる固有周波数におけるキルヒホッフ・ヘルムホルツ積分方程式の解の非一意性を解決するために、共鳴時における音源の挙動について物理的な考察を行う。その結果、音源の条件として力一定を設定することにより、剛壁で囲まれた閉空間内の音場が一意的に確定することを示し、境界要素法による数値計算によって確認する。この考え方に基づいてアクティブモード制御を定式化し、2次音源の配置、適応処理のためのエラーセンサの数や位置などのシステム構成と制御効果の関係を数値計算により調べる。更に直方体室内を対象としたアクティブモード制御の効果について計算結果と実験結果とを比較し、本手法の妥当性を確認する。