抄録
シュリーレン法を用いて超音波振動子の音源音圧を推定した。シュリーレン光強度は振動子への印加電圧が比較的小さい範囲では単調増加し, 更にこの電圧を増大させると光強度は最大値を迎え, なだらかに推移した後, 単調減少した。測定された光強度の振動子印加電圧依存性は, 単調増加する範囲内でラマン-ナスパラメータνで記述される理論的光強度とよく一致した。理論値に規格化した実測値を代入することで求めたνにより, 光強度の単調増加する範囲で音源音圧を推定できる。本実験では9.9×10^4 Pa を測定限界として音源音圧振幅を推定することができ, 光学的積分効果を考慮するとハイドロホン測定による値との相対誤差が6.7%の精度で推定を行うことができた。