我が国の65歳以上の人口は今後も更に増えると見込まれ,加齢に伴う感覚機能低下は音声によるコミュニケーションに困難さを生じさせる。今回,健常な若年者及び高齢者を対象として実験を行い,感情表現を伴う音声からの意味理解,及び感情そのものの理解に加齢が与える影響を評価した。その結果,健常高齢者において,感情表現の違いは意味理解にさほど大きな影響を与えないが,感情理解に影響を与えることが示唆された。健常者であっても高齢者に対しては,意図した感情が伝わらず,誤解を生じる可能性が高くなることを理解する必要があると考えられる。