日本音響学会誌
Online ISSN : 2432-2040
Print ISSN : 0369-4232
76 巻, 5 号
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巻頭言
論文
  • 高見 純子, 川端 豪
    2020 年 76 巻 5 号 p. 254-261
    発行日: 2020/05/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    音声対話システムにおいて,ユーザが誰か判定し適切な行動をとることが,ユーザのシステムへの親近感を高めるために有効である。この目的のためには話者認識の精度だけではなく話者を判定するまでの迅速さが求められる。本論文は,GMMスーパーベクトルに基づく話者認識手法において,適応速度と到達精度に基づく二元的な性能表現を提案する。話者認識精度の変化をユーザ発声量の関数と考え指数項を含む飽和曲線によって近似する。飽和曲線は幾つかの定数によって決定されるが,そのうち認識誤りを半減させるのに必要なデータ量の逆数が「適応の速さ」を表し,ある程度安定した状態での精度が「到達精度」を表す。本論文は更に提案する性能表現を用いて,GMMスーパーベクトル特徴空間に関する幾つかの検討を行う。

  • 齊藤 千晶, 中村 篤
    2020 年 76 巻 5 号 p. 262-268
    発行日: 2020/05/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    我が国の65歳以上の人口は今後も更に増えると見込まれ,加齢に伴う感覚機能低下は音声によるコミュニケーションに困難さを生じさせる。今回,健常な若年者及び高齢者を対象として実験を行い,感情表現を伴う音声からの意味理解,及び感情そのものの理解に加齢が与える影響を評価した。その結果,健常高齢者において,感情表現の違いは意味理解にさほど大きな影響を与えないが,感情理解に影響を与えることが示唆された。健常者であっても高齢者に対しては,意図した感情が伝わらず,誤解を生じる可能性が高くなることを理解する必要があると考えられる。

小特集―空中超音波センシングと応用技術―
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