[要旨]熱音響発電機や熱音響冷凍機は,音響パワーを電力に変えたり,電力を音響パワーに変えたりするためのリニアモータを有している。このリニアモータとして,音響スピーカが用いられることがある。しかし,音響スピーカの諸特性は,製造会社によってすべてが公表されているとは限らない。本研究では音響スピーカを熱音響発電機などに利用する際,重要な特性値の測定方法を示し,実測した。測定された特性値と熱音響理論を用いた数値計算を行い,実験装置の共鳴周波数とそのときの圧力振幅などについて実験値と比較した。その結果,周波数は誤差1%以内,圧力振幅も平均圧力の7%以下であれば誤差5~6%程度の精度で実験値を予測できた。