手話の音韻パラメータの1つである「動き」は、学習者にとり習得が難しいとされている。また、自然な発話には韻律の習得が欠かせない。本研究では、手話の「動き」および「韻律」に着目し、聴者が視覚-身体動作モダリティである手話を習得するなかで、どのようなエラーが見られるのかを調査した。聴者5名を対象に無声動画を見せ、その内容を手話で語ってもらい、ろう者が不自然だと感じた箇所を分析した。その結果、①マウジングの多用によるリズムの崩れ、②語の弱化の欠如または過度の繰り返し、③指さしの繰り返しおよび非利き手への接触、④NM 表現の消失、⑤手指とNM の韻律標識の共起エラーが観察され、動きや韻律に関して聴者特有の「なまり」があることが示唆された。