手話学研究
Online ISSN : 2187-218X
Print ISSN : 1884-3204
ISSN-L : 1884-3204
総説・依頼
M2L2 の手話学習者における発話リズム
動きと韻律に着目して
下谷 奈津子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2023 年 32 巻 2 号 p. 23-30

詳細
抄録

手話の音韻パラメータの1つである「動き」は、学習者にとり習得が難しいとされている。また、自然な発話には韻律の習得が欠かせない。本研究では、手話の「動き」および「韻律」に着目し、聴者が視覚-身体動作モダリティである手話を習得するなかで、どのようなエラーが見られるのかを調査した。聴者5名を対象に無声動画を見せ、その内容を手話で語ってもらい、ろう者が不自然だと感じた箇所を分析した。その結果、①マウジングの多用によるリズムの崩れ、②語の弱化の欠如または過度の繰り返し、③指さしの繰り返しおよび非利き手への接触、④NM 表現の消失、⑤手指とNM の韻律標識の共起エラーが観察され、動きや韻律に関して聴者特有の「なまり」があることが示唆された。

著者関連情報
© 日本手話学会
前の記事 次の記事
feedback
Top