手話学研究
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ヘレン・ケラーはアメリカでも「奇跡の人」 なのか
Lost in Translation ③
佐野 正信
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2024 年 33 巻 1 号 p. 18-30

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抄録

我が国において「奇跡の人」と言えば、通常ヘレン・ケラーを指す。これはウィリアム・ギブソンの戯曲とその映画版の邦題『奇跡の人』がヘレンを指すと見なされ、それが、そのままヘレンの代名詞として定着したためと思われる。しかし、『奇跡の人』の原題The Miracle Worker は、ヘレンではなくアン・サリヴァンを指すことが日本人にも次第に明らかになってきた。このため、近年、誰を「奇跡の人」と呼ぶべきかについて見解の相違が生じている。ヘレンが「奇跡の人」であると考える日本人は依然として多いが、本国アメリカでもヘレンは「奇跡の人」と呼ばれているのだろうか。そもそも「奇跡の人」という日本語に対応する英語の言い回しは存在するのだろうか。本論では日英比較の観点から「奇跡の人」に相当する英語の存在を探ることで「奇跡の人」をめぐる問題点を整理してみたい。

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