学校メンタルヘルス
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ショートレポート
小学校(中・高学年)用共同体感覚尺度作成の試み―中核信念に焦点をあてて―
橋口 誠志郎
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2012 年 15 巻 2 号 p. 286-291

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抄録

【目的】本研究では小学校(中・高学年)用共同体感覚尺度を作成し信頼性と妥当性を検討することを目的とする。【方法】調査協力者はA県の小学生134名であった(3年生から6年生,男子64名,女子70名)。【結果】小学校(中・高学年)用共同体感覚尺度暫定項目20項目に対して探索的因子分析を行ったところ2因子が抽出された。第1因子は共同体感覚的他者スキーマ因子(5項目,α=.87),第2因子は共同体感覚的自己スキーマ因子(5項目,α=.77)であった。また適応の指標である自己価値得点と共同体感覚的他者スキーマ得点は正の相関(r=.60, p<.01),共同体感覚的自己スキーマ得点も正の相関であった(r=.43, p<.01)。さらに不適応の指標である抑うつ得点と共同体感覚的他者スキーマ得点は負の相関(r=-.67, p<.01),共同体感覚的自己スキーマ得点も負の相関であった(r=-.37, p<.01)

【考察】信頼性と妥当性を備えた小学校(中・高学年)用共同体感覚尺度が作成されたと考えられる。

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© 2012 日本学校メンタルヘルス学会
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