【問題と目的】本研究は,学校現場での自傷行為への対応方法を探るため,青年期の自傷行為とスピリチュアリティ及び死生観との関連を追究したものである。自傷行為とスピリチュアリティ・死生観との関係についての研究はこれまでほとんどなされていない。また,学校現場での自傷行為への対応方法もまだ明確になっていない。特に,定時制高校では,自傷行為の経験率が高く,方法論の早急な確立が求められている。
【方法】定時制高校の生徒266名(男子130名,女子136名)に対して質問紙による調査を行った。高校生用スピリチュアリティ尺度と死生観尺度を用い,因子分析,高次因子分析,共分散構造分析を用いて自傷行為との関連を検討した。
【結果】スピリチュアリティの1つである「超越的意義づけ」因子と死生観に関わる「死への防衛」因子が自傷行為の抑制要因として働いていた。反対に,もう1 つのスピリチュアリティ因子である「情動的つながり」と死生観に関する「死への肯定的関心」因子が,自傷行為の促進要因と関連していることが確認された。
【考察】このことは,学校現場で自傷行為の予防改善に関する教育を行っていく場合,生徒の死への防衛意識を尊重することの必要性,健康的なスピリチュアリティを活用することの有効性を示唆している。