学校メンタルヘルス
Online ISSN : 2433-1937
Print ISSN : 1344-5944
原著論文〔実践研究〕
「強み(Strengths)」を活用する介入が大学1年生の自己形成意識に与える効果
森本 哲介高橋 誠渡部 雪子
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2014 年 17 巻 1 号 p. 39-49

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抄録

本研究では,大学1年生の自己形成意識を高めることを目的として,人の性格的な強みである「キャラクター・ストレングス(Character Strengths:以下CSとする)」を日常生活の中で活用させる心理学的介入プログラムを実施し,その効果を検証した。

介入プログラムは,第1週に参加協力者のCSを測定し,第2週に,活用を促すCSを個人ごとにフィードバックした。そしてその後1週間の日常生活で,フィードバックされたCSをそれぞれの参加協力者が自分なりの新しい方法で活用するよう促す,という手順で行われた。測定したCS得点の上位から順に5つのCSを活用する群(SS群)と参加協力者ごとにランダムに割り当てられたCSを活用する群(RS群),介入を行わない群(Control群)の3群を設定した。

効果検証のために,プログラムの前後で,「可能性追求」と「努力主義」の2因子からなる自己形成意識尺度を測定した。また,SS群とRS群は,強みについての主観的な感覚について測定した。

群(SS群・RS群・Control群)×test時点(pre・post)の2要因分散分析の結果,自己形成意識の下位尺度可能性追求得点はどの群も有意な変化はみられなかったが,努力主義得点はSS群においてのみpre時点よりもpost時点において有意に上昇していた。またSS群では,自己の強みを活用しているという感覚が有意に高まっていた。これらの結果から,自己の中でも上位の強みを活用する介入プログラムが,大学生の自己形成意識の努力主義因子を高めるために有効であることが示された。

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© 2014 日本学校メンタルヘルス学会
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