2017 年 20 巻 2 号 p. 180-187
【問題と目的】本研究の目的は,小・中・高等学校教師のストレッサーとワーカホリズムとの関連を検討することであった。
【方法】2014年8月に,A県の小中学校・高等学校教師78名(男性24名,女性53名,性別無回答1名;平均年齢45.0歳,SD=8.4歳)を対象にストレッサーとワーカホリズムを測定した。
【結果】一元配置分散分析の結果,心理的な仕事の質的負担に関して小学校と高等学校との間に有意差が確認され,強迫的な働き方に関して小学校と高等学校との間や中学校と高等学校との間に有意差が確認された。さらに,相関分析の結果,小学校教師では働きすぎは心理的な仕事の量的負担と強い正の,心理的な仕事の質的負担と中程度の正の,強迫的な働き方は心理的な仕事の量的負担と中程度の正の,心理的な仕事の質的負担や仕事のコントロールの低さと弱い正の関連を示した。中学校教師では働きすぎは心理的な仕事の量的負担と中程度の正の関連を示した。高等学校教師では働きすぎは対人葛藤と中程度の正の関連を示した。
【考察】本研究結果から,校種によって教師のストレッサーとワーカリズムとの関連は異なる可能性が示唆された。今後は,より多くのサンプルを用いた検討が必要である。