2025 年 28 巻 1 号 p. 128-137
【問題と目的】本研究は,先行研究で開発された問題のあるゲーム使用に関する多理論統合モデル(Transtheoretical model; 以下,TTMとする)尺度を参考に,中学生の予防教育への利用を想定して,青年用の尺度(以下,問題のあるゲーム使用に対するTTM尺度青年用とする)を作成し,その内的整合性と構成概念妥当性の検討を行うことを目的とした。
【方法】問題のあるゲーム使用に対するTTM尺度青年用は,行動変容ステージ尺度,意思決定バランス尺度,自己効力感尺度の3つの尺度で構成された。中学生に質問紙調査を行い,530名から得られたデータを分析した。
【結果】因子分析の結果,意思決定バランス尺度は,長所の認識と短所の認識の2因子構造で構成された。自己効力感尺度は,気分の低下,直接的誘惑,間接的誘惑の3因子で構成された。それぞれの尺度は,十分な内的整合性を示した。行動変容ステージ尺度,長所の認識,自己効力感尺度の各下位尺度は,ゲーム依存傾向やゲーム使用時間との相関を示した。一方で,短所の認識は有意な相関を示さなかった。また,行動変容ステージ尺度は,長所の認識や自己効力感の各尺度とTTMに基づく想定と一致する相関関係を示したが,短所の認識とは有意な相関を示さなかった。
【考察】問題のあるゲーム使用に対するTTM尺度青年用は,短所の認識尺度を除いて,十分な内的整合性と構成概念妥当性を有すると考えられる。行動変容ステージの人数分布の偏りや短所の認識尺度に関する予想に反する結果を含む,本研究の課題と展望が議論された。