抄録
経営学で提案されている分析モデルは実務の世界で起こっている経営現象のメカニズムを理論的に説明する枠組みを提供している。しかしながら、記述モデルであることから特定の産業について定量的な分析を行い、時系列に沿って企業行動を連続的に考察するモデルとしては不十分である。そこで本研究では、企業の行動を考察するためにコンピュータを用いたシミュレーションモデルを開発した。第1にその特徴は、ポーターの提案した「5フォースモデル」によって産業の特性をコントロールするように工夫したので、現実世界のさまざまな産業における企業行動の分析を可能にしたことである。第2に、現実世界の企業間競争では各企業がもつ知識の差が競争優位の源泉になっている場合がある。