抄録
本論は、情報システム監査及びその社会制度化の今日的意義を、可能な限り分析的に示すことを目的とする。本論は、情報化社会の進展とそれがもたらす負の影響を概観した上で、まず情報システム監査の今日的意義を考察する。この過程では、情報システムの持つ「不完全性」等の本質的特性に着目し、また、「利害関係者」を加えた情報システム監査の新たな当事者モデルを提案する。そして、それらを踏まえ、情報システム監査の社会制度化の今日的意義について、「IT依存社会のリスク低減策(ITの社会統治要請)」「当事者の説明責任遂行支援」「利害関係者に対する情報提供」、そして「産業競争力強化(国際競争力強化)」の4点を指摘する。