抄録
本論ではミームとそのメタファーとしてのコンピューティングパラダイムを考察する。1976年、R・ドーキンスは名著「利己的な遺伝子」のなかで、文化の遺伝子としてのミームという概念に言及した。一方、我々のミームの定義は「ミームは情報であると同時にその複製に関わる作用因子であるもの」というものであり、また「ミームはミームの集合である」というものである。ミームは社会的脳というミクロなシステムから、マクロな人間社会まで多層的に繋るネットワークを構成し、そのなかを伝搬する。ミームコンピューティングにおいて情報は自己組織化により、ある人やコミュニティーに対し、成長する情報の近傍空間を作り上げる。さらに応用例として、サーチエンジンとして機能する知的なミームキャッシュサーバを提案する。