抄録
ユビキタス時代に向けて、「リーチ・リッチネス・トレードオフ解消」という典型的インターネット効用モデルの限界について議論する。今後、多様なネットワーク環境並存、多様な利用シーン拡大は従来モデルだけで解釈できない様々な利用環境への木目細かな対応、利用シーンにふさわしい顧客カスタマイズを要求する。但し、「リーチ・リッチネス・トレードオフ解消」モデルがあまりにも成功したため、ローカル環境へのチューニング・コストが増加しても、殆ど無償で提供してしまったサービスを俄かに変更し、新たな対価を要求することは出来ない。その結果、嘗て製造業でマスプロダクション製品が普及した後にマスカスタマイゼーションが必要になったのと同様に、リーチ・リッチネス・トレードオフ問題が復活し、わずかな対価で大量カスタマイズ競争が起きる。この変化への対応は各地域・国レベルのビジネス慣行、組織的能力に関係する。