優良なICT資産を築くには、企業側は従業員であるシステムエンジニアの人的資産蓄積を促す仕組みを、企業組織にビルトインしなければならない。理論的には従業員の自己投資は将来にわたって得ることができる収益の現在価値によって定まる。収益の現在価値を下げる要素やその不確実性を高める要素があると、従業員は自己投資を躊躇するだろう。
今回はシステムエンジニアを対象として、人的資産投資を促進あるいは阻害する要因は何か、リクルート・ワークス研究所の「ワーキングパーソン調査,2004」の個票にもとづき実証研究を行った。 その結果、インセンティブ強度など「ハードな組織要因」だけでなく職場のストレス度など「ソフトな組織要因」が人的資産蓄積に影響を与えていることが確認された。