食品メーカーの商品は、容器や包装の力を借りずに消費者へは届かない。すなわち、食品は容器や包装と一体化してこそ商品としての価値が生まれる。日本の食品業界において、ファミリービジネスは、食品容器や包装のイノベーションで大きく貢献していることをすでに明らかにした。そのイノベーション能力は、ヒット商品を可能にしたが、それだけでは商品のロングセラー化はできない。本研究では、新たなカテゴリーの創出(カテゴリー・イノベーション)に成功したファミリービジネスのケーススタディを通して、商品がロングセラー化を可能としたファミリービジネス独自のケイパビリティを探る。