抄録
本研究では、過疎化対策を経営課題解決と見なし、BSCを中心とする経営手法を用いることにした。BSCの4つの視点の一つである顧客の視点からは、それぞれの滞在型セグメンテーション別に、顧客の興味・関心や満足要因を分解し、それに適した様々なアプローチを各地の成功事例や現地観光資源の長所から調査分析した。内部プロセスの視点からは、滞在客へのサービスの高い効果を実現する方法と、提供資源の効率性を追求した。学習と成長の視点では、滞在客へのサービスに直接間接的にかかわる人たちの質の高い接客サービス提供に必要な知識を明らかにし、共有する方法を考案した。財務の視点からは、結果としての観光収支の実績確認を行うようにした。