抄録
日本企業は、終身雇用と年功賃金制に代表される日本的経営と呼ばれる特徴を持つ。本研究では、日本的経営により特徴付けられる雇用システムと企業の生産性、生産性成長率との関係性を重回帰分析により明らかにし、雇用システムの再設計に貢献することを目的としている。生産性、生産性成長率は、DEA(包括分析法) 、時系列分析で用いられるDEA マルムクイスト指標により算出される。分析途中であるが、会社都合離職率、女性管理職・役員割合、平均年間給与、管理職比率が高い企業、従業員平均年齢が低い企業は、生産性が高い傾向がある。女性・若者の活躍、雇用流動性に関しては、従来の日本的経営の特徴に反していることが分かった。