抄録
企業が行う変革には、事業戦略の見直しによる戦略駆動型の変革や、ITの活用技術の革新によるIT駆動型の変革がある。変革を駆動する理由によって、変革を実現可能にする要素(イネーブラー)は異なるのではないか。
本研究では、変革の駆動軸として、事業戦略の見直しの有無と、MacFarlanのITの役割の分類を用いる。また、変革のイネーブラーは、ITマネジメントの枠組みであるCOBIT5のイネーブラーを拡張して定義する。
そして、事業戦略を見直した企業、ITが競争優位に繋がるコア技術である企業の方が、そうでない企業よりも、変革のイネーブラーを整備し、変革を実行し、変革の効果を創出することを、実際のデータを用いて示す。