組織成員らは、問題解決の実践的活動を通して、与えられた問題領域の専門知識に熟達していくとともに、他者と協力して集団で問題解決するやり方を同時に学ぶ。そのような組織的知識創造プロセスを、集団における相互作用環境下での自己参照型コミュニケーションの連鎖と定義し、そこでの情報選択性の規範を、組織成員の創造力の源泉とみなす。暗黙知の哲学を長期記憶の観点から見直すことにより、このような規範を、システム方法論により育むメカニズムについて示す。ここではシステム方法論の例として、特にダブルループ学習の観点から特徴を説明できるソフトシステム方法論とデザイン思考を採用する。