Semantic WebのRDF/OWL言語は社会科学の転回と整合的である。そのため、当事者が意味を問いながら徐々に記述していけるが、その方法論は確立されていない。本稿は、リレーショナルDBとの対比のもと、RDFの記述とは何であるかを探究する。RDBの開発は合理的視点で、第三者がトップダウンでスキーマを開発し、ユーザは集合操作する。対して、SWebでは各主体がインスタンスをRDFに徐々に記述し、ボトムアップで結果的に大きな知識ベースとなる。この徐々に世界が開示されていく方式は現象学の考えに通じる。このことから、分析とは異なる一人称的アプローチの開発が期待される。