抄録
本稿ではソーシャル・メディアの社会課題を技術論の視点から考察する。そのため情報セキュリティシステムの具体的な構築法を論じることはしない。
技術論においては、技術は自己修正システムを持つという考えがある。この説によると、技術の進化によって生じた危機は、それを上回る技術の進歩によって是正される。 しかし、技術の進歩の過程で取り返しのつかない被害が出た場合はどうするのかについて述べていないという、致命的な欠陥がある。他方、社会が技術のあり方を決定できるとする社会構成主義という考え方がある。ソーシャル・メディアの課題も、この社会構成主義の考え方を取り入れることで、新たな方向を見出すことができるといえよう。