抄録
ネットワーク効果が働く市場では、市場シェアを獲得すること自体が競争力を高めることから、いかに早い段階で市場シェアを獲得することが重要であるとされてきた。ところが、成功している企業が必ずしも先行者とは限らないとの指摘もあることから、現在の企業は早期のシェア獲得を重視しすぎる誤った戦略を取っている可能性もある。このような問題を解決するためにもネットワーク効果の更なる解明が必要である。そこで、本研究では、ネットワーク効果が製品やサービスの普及に与える影響は普及段階に応じて異なるとの問題意識にたち、普及段階に応じたネットワーク効果を定量的に明らかにすることを目的とする。