抄録
電子決済はスマートソサエティの基盤を成す重要な要素である.リテールの決済データは個人の家計や消費傾向を表すパーソナルデータである.データポータビリティによって個人は自らの金融データを自分自身のために収集・集約・利用し得るようになるだろう.スマートソサエティの検討に向けて,本稿では新興国における電子決済サービスについて調査する.新興国では送金の需要がある反面で,銀行口座の保有率の低さや,銀行の実店舗やATMへのアクセスの困難さがあったことで,2000年代にSMSを用いたモバイル決済が普及した.世界銀行によると,これらの国ではモバイルでのP2P取引に加えてG2P取引が普及している.今日ではA2A取引も登場し始めている.