2023 年 3 巻 p. 32-39
幼児の学習や活動に対する動機づけを高めるために, 有能感を向上させることに着目した. 本研究では, 幼児期の子どもを対象として, 有能感および社会的受容感へのほめ合う活動を通じて, 影響について検討した. 調査対象は, 保育所に通園する年長児であり, 幼児一人ひとりに対して, クラスの友達から良いところを発表するほめ合う活動を行い, 有能感の向上を図った. その結果, ほめ合う活動あり群では, 全体・男子において「学習有能感」「運動有能感」, 全体・男子・女子において「友達からの受容感」, ほめ合う活動なし群では,全体において「友達からの受容感」に有意差が認められた. 本研究により, 保育所におけるほめ合う活動により, 幼児期の子どもの有能感を向上させることで, 主体的な課題意欲につながる可能性がある.