看護教育学研究
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原著
院内教育の講師を担当する看護職者が直面する困難と克服法
―病院に就業し講師を担当する看護職者に着眼して―
村井 佳美中山 登志子植田 満美子
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キーワード: 院内教育, 講師, 困難
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2023 年 32 巻 1 号 p. 39-53

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抄録

本研究の目的は、院内教育の講師を担当する看護職者のうち、病院に就業する者が直面する困難とその克服法を解明し、院内教育の質向上に向けた示唆を得ることである。全国の60病院に就業する院内教育の講師経験を持つ看護職者449名に、講師の担当に伴い直面する困難とその克服法を問う自由回答式質問を含む質問紙を用いて調査を行った。返送があった293部(回収率65.3%)の回答に、困難の有無とその内容を問う質問が同様であったパイロットスタディにより回収した44部を加えた合計337部のうち、有効回答290をBerelson, B. の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いて分析した。結果は、院内教育の講師を担当する看護職者が直面する困難22種類と、困難に対する克服法34種類を明らかにした。Scott, W. A. によるカテゴリ分類の一致率は困難、克服法ともに70%以上であり、カテゴリが高い信頼性を備えていることを示した。また、困難と克服法の対応を明らかにした。困難が生じる契機に着目し困難を考察した結果、7つの特徴が見出された。さらに、各特徴を持つ困難とそれらの困難に用いられていた克服法を考察し、院内教育の質向上に向けた示唆を得た。本研究成果は、講師を担当する看護職者が、自身の直面する困難を客観的に理解するために活用できるとともに、これを通して困難の克服に向けた方向性を見出し、講師の役割を円滑に遂行することに貢献する。

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© 2023 日本看護教育学学会
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