看護教育学研究
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大学院修士課程に在籍する学生が研究指導の良否を決定づける基準
山下 暢子舟島 なをみ松田 安弘中山 登志子
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2024 年 33 巻 1 号 p. 23-37

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抄録

本研究の目的は、修士課程に在籍する学生が研究指導の良否を決定づける基準を解明し、その特徴の考察を通して、学生の知覚を把握し、修士論文完成に向けてより良い研究指導を実現するための示唆を得ることである。修士課程修了後5年未満の修了者656名を対象とし、大学院生が「良い」「良くない」と知覚する研究指導を問う自由回答式質問を含む質問紙を用いて調査した。質問紙の内容的妥当性は、教員による検討会とパイロットスタディにより確保した。分析には、Berelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いた。返送された質問紙314部(回収率47.9%)の内、有効回答289部を分析対象とした。分析の結果、修士課程に在籍する学生が研究指導の良否を決定づける基準を表す25カテゴリが明らかになった。Scott,W.A.の式によるカテゴリ分類への一致率は80%以上であり、カテゴリが高い信頼性を備えていることを示した。考察の結果は、学生が、研究指導の良否をa)研究指導日時の確保に関する基準、b)研究指導の準備に関する基準、c)学生の個別状況に応じた研究指導のあり方に関する基準、d)研究指導過程に示す教員の態度に関する基準、e)研究指導中に展開する教員と学生の相互行為に関する基準、f)研究者としてのロールモデル行動の提示に関する基準の6側面から決定づけていることを示した。修士論文完成という目標の達成を目ざしこれらを活用することにより、効果的な研究指導を実現できる可能性が高い。

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