応用物理
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基礎講座
蓄冷型冷凍機による冷却の基礎
井上 龍夫
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2003 年 72 巻 3 号 p. 343-348

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抄録

超伝導機器の冷却方法として,今後の実用化を考えると液体窒素などの寒剤ではなく,小型冷凍機による冷却が必須である.極低温領域の代表的な冷凍機は蓄冷型冷凍機である.その冷却メカニズムは,作動流体が蓄冷器内を圧力変動を受けながら往復動し,適当なタイミングで蓄冷材との間で吸放熱することにより,熱が蓄冷材を介してバケツリレーされ,くみ上げられることである.代表的な蓄冷型冷凍機はスターリング冷凍機,GM冷凍機,パルス管冷凍機であり,それらの構造および特徴を紹介する.特にパルス管冷凍機については,最近までの発展について分類と構造的特徴を概説する.パルス管冷凍機は低振動性と保守性から今後の広範囲の応用が期待されており,その特徴を生かした応用例についても簡単に言及する.

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© 2003 公益社団法人応用物理学会
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