2016 年 13 巻 p. 34-38
緒言:統合失調症患者において、抗精神病薬は運動に影響を及ぼすと言われている。方法:清心会藤沢病院に通院中の統合失調症患者16名(平均年齢48.0±12.6歳)を対象に、身体活動量計を用い1日身体活動量を測定、数値化し、1日の抗精神病薬投与量(クロルプロマジン換算)0~1000 mgの低用量群(LCPe)と、1000 mgを超える高用量群(HCPe)に分け、2群間の身体活動量(総エクササイズ(EX)、運動EX、生活活動EX)を比較した。結果:総EX(LCPe:4.47±2.01 EX、HCPe:2.10±1.48 EX)、運動EX(LCPe:3.61±1.99 EX、HCPe:1.63±1.28 EX)において2群間に有意差がみられた。考察:抗精神病薬の多剤高用量は、身体活動量特に運動量を低下させる可能性が示唆された。今後は精神症状や生活背景含め運動に影響を及ぼす因子を考慮し包括的な調査をすすめていく。