2016 年 13 巻 p. 9-15
身体障がい者スポーツの重要性は広く認知されており、競技分野も確立していると言える。しかし精神障がい者の競技スポーツは未確立であり、当事者の権利や意義の面からも実施・普及は不十分である。そのため、精神障がい者の競技スポーツの現状や課題を整理することを目的に、文献研究を行った。精神障がい者の競技スポーツは着実に広がりを見せており、有益な活動のひとつとなっている。またその効果についても、多数の報告がなされている。しかし、その運営基盤は不十分であり、早急な整備が必要である。また当事者対象のニーズ調査が少ないため、更なるニーズ調査の実施が望まれる。現在、国際化への取り組みが活発となっているが、国内での実施・普及が不十分である。そのため当事者選手、支援者双方にとって望まれる競技性スポーツの在り方を明らかにし、実施・普及を推進するモデルを作ることが必要と考える。