スポーツ精神医学
Online ISSN : 2436-1135
Print ISSN : 1349-4929
原著
「推し活」やスポーツファン活動とメンタルヘルスとの関連—推し活尺度の作成の試み—
高橋 誠
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2026 年 23 巻 p. 29-37

詳細
抄録

 近年、いわゆる「推し活」が流行している。「推し活」とは、「興味のある対象(アイドル、アニメキャラクター、スポーツ選手、アーティストなど)を推したり応援する活動」全般を指す言葉であり、「推し」とは「ファン対象」のことである。本研究は推し活やスポーツファン活動とメンタルヘルスの関連について検討することを目的とした。web調査会社を通じて得られた1752名(平均年齢=37.99 ± 16.19歳)を対象とした。多重比較の結果、幸福感はスポーツファンが他の群より最も高く、抑うつ感は推し活者が他の群よりも最も高く、本来感は推し無し群が他の群より最も低かった。次に探索的因子分析の結果、「推し活尺度」の原案28項目は6因子構造(生活充実、同担拒否、推し依存、推し貢ぎ、推し活仲間充実、活動休止ダメージ)と解釈され、十分な内的整合性を有していた。対応のないt 検定の結果、推し活者のほうがスポーツファンよりも推し活尺度合計得点が高かった。共分散構造モデリングによる解析の結果、抑うつ感に正のパスがみられたのは推し活尺度の「推し依存」と「活動休止ダメージ」であり、負のパスがみられたのは「生活充実」、「推し貢ぎ」、「推し年数」であった。

著者関連情報
© 2026 日本スポーツ精神医学会
次の記事
feedback
Top