システム農学
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衛星リモートセンシング・データを用いた穀物生産量推定のための新手法
岡本 勝男山川 修治横沢 正幸川島 博之
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ジャーナル オープンアクセス

1998 年 14 巻 1 号 p. 6-12

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抄録

リリモートセンシング技術は、地球規模で作物生産量を推定するのに有効である。植生指数は、衛星画像から作物生産量を推定するのに使われてきた。しかし、植生指数を用いたこれまでの手法は、作物の生育ステージを考慮しないため、しばしば正確な作物生産量を推定できないことがある。筆者らは、植生指数に変わる作物のスペクトル生育軌跡を用いた新手法を提案する。作物のスペクトル生育軌跡は、赤-近赤外特徴空間上で、半楕円曲線として描かれる。スペクトル生育軌跡は、1時期の衛星リモートセンシング画像から生育ステージの違いを区別できる。筆者らは、新手法を、中華人民共和国華中、北海道、アメリカ合衆国北部の3地域に適用した。北海道は1993年に、アメリカ合衆国北部は1992年に気象災害を被った。1-km AVHRR全球陸域10日合成画像を用いて、この3地域で本手法を検討した。その結果、植生指数は気象災害の影響を反映できないが、本手法は全ての地域で気象災害の影響を良く反映していた。

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© 1998 システム農学会
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