システム農学
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14 巻, 1 号
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投稿論文
  • 川島 博之, 津村 昭人, 木方 展治, 佐藤 美穂, 茅原 一之, 山崎 慎一
    1998 年 14 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1998/04/10
    公開日: 2023/12/04
    ジャーナル オープンアクセス
    つくば市にある水田にて測定させたデータを用い、水田より発生する汚濁負荷量を推定した。観測は1984年4月から1986年9月にかけて行われた。水田より発生する負荷は降雨時において急増した。この傾向は窒素負荷において著しい。一年間に発生する負荷の半分以上が降雨のあった3日間に流出していた。降雨時も含めた水田よりの汚濁負荷はCOD:51.3[kg ha-1 y-1]、窒素:56.4[kg ha-1 y-1]、リン:1.3[kg ha-1 y-1]、と推定される。降雨時に窒素負荷が急増する傾向が著しいので、晴天時の測定のみでは、負荷を下方に見積もることになる。
  • 岡本 勝男, 山川 修治, 横沢 正幸, 川島 博之
    1998 年 14 巻 1 号 p. 6-12
    発行日: 1998/04/10
    公開日: 2023/12/04
    ジャーナル オープンアクセス
    リリモートセンシング技術は、地球規模で作物生産量を推定するのに有効である。植生指数は、衛星画像から作物生産量を推定するのに使われてきた。しかし、植生指数を用いたこれまでの手法は、作物の生育ステージを考慮しないため、しばしば正確な作物生産量を推定できないことがある。筆者らは、植生指数に変わる作物のスペクトル生育軌跡を用いた新手法を提案する。作物のスペクトル生育軌跡は、赤-近赤外特徴空間上で、半楕円曲線として描かれる。スペクトル生育軌跡は、1時期の衛星リモートセンシング画像から生育ステージの違いを区別できる。筆者らは、新手法を、中華人民共和国華中、北海道、アメリカ合衆国北部の3地域に適用した。北海道は1993年に、アメリカ合衆国北部は1992年に気象災害を被った。1-km AVHRR全球陸域10日合成画像を用いて、この3地域で本手法を検討した。その結果、植生指数は気象災害の影響を反映できないが、本手法は全ての地域で気象災害の影響を良く反映していた。
総説
  • 岡本 勝男, 川島 博之
    1998 年 14 巻 1 号 p. 13-25
    発行日: 1998/04/10
    公開日: 2023/12/04
    ジャーナル オープンアクセス
    1960年に衛星リモート・センシングが始まって以来、多くの人工衛星が打ち上げられ、大量の地球観測データが蓄積された。現在、地域レベルから全球的スケールまで、環境や農業のパラメータを観測するうえで、衛星リモート・センシング技術は欠くことができない存在となっている。穀物生産量の推定は、毎年の生産量(短期的生産量)と地球温暖化等によって変動する生産量(長期的生産量)の2つの局面に分けられる。短期的生産量は、毎年の作付面積と単位面積当り収穫量(単収)から計算できる。一方、長期的生産量を把握するには、50~100年規模での栽培面積の推移と今後の単収の変動を予測する必要がある。本論文では、世界の主要穀物生産量の推定に焦点を当て、リモート・センシングを用いた短期から長期にわたる生産量推定に関する研究を中心に紹介する。最後に、世界の穀物生産量を推定するうえで、現在直面している問題と今後必要な研究の方向について議論する。
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