システム農学
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研究論文
農家属性に代表される栽培管理水準がもたらす水稲生産における冷害抵抗性
飯泉 仁之直石田 憲治平児 慎太郎永木 正和
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2008 年 24 巻 2 号 p. 103-112

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抄録
本研究では、気候条件と農家属性が収量被害量に及ぼす影響を評価する統計モデルを構築した。このモデルでは実被害量は潜在被害量と被害抵抗性とに分離され、潜在被害量は主に気候条件によって決定される一方、被害抵抗性は集落の農家属性によって間接的に代表される栽培管理水準によって決まると仮定した。構築したモデルは1993年の冷害時の水稲収量被害を対象として栃木県の二つ2町に適用された。その結果、冷害による潜在被害量のうち1.264t/ha が栽培管理によって軽減され、この被害軽減量(=被害抵抗性)は潜在被害量の44.2%にあたることが示された。また、高齢農家人口割合や非専従農家割合、耕作放棄地割合が高い集落では被害抵抗性が低いことが示された。高齢農家人口割合は他の農家属性に比べて被害抵抗性を低下させる効果が僅かに大きく、農村部での高齢化の進行に伴って水稲の収量被害が増加する可能性が示唆された。
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© 2008 システム農学会
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