抄録
那覇港港内側でのサンゴ群集の創生を目的に,波や流れなどの物理環境が異なる2地点に格子状構造の人工基盤「コーラルネット」を設置した.コーラルネットおよびコンクリート製ブロック上で成育するサンゴ群集の生残および被度について5年間の長期モニタリングを実施し,環境要因との関係について分析した.コーラルネットに着生したサンゴ群集は,ミドリイシ属,ハナヤサイサンゴ属が優占すると共に被度は最大45%となった。また,ブロック上ではマット状に生育する藻類に細粒分が堆積した影響によりサンゴ幼生の着生阻害が認められた.