システム農学
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研究論文
低タンパク米区分集荷のためのオンサイト・リモートセンシング
金 宗煥全 炳徳杉山 和一佐藤 吉昭安井 利昭諸富 保司
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2008 年 24 巻 4 号 p. 253-262

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抄録

近年、コンピューターの発達と高性能のイメージセンサーの開発に伴い精密農業への活用が注目されている。著者らは安価で手軽に使えるデジタルカメラを植生観測センサーとして改良し、現場適用の可能性について検討を行ってきた。本研究では、大分県内の水田を研究対象とし、最高分げつ期と糊熟期に分けて葉緑素計によるSPAD(Soil Plant Analyzer Development、以下SPAD)値と正規化植生指標(Normalized Difference Vegetation Index、以下NDVI)及び玄米タンパク質含有率(以下タンパク質含有率)とNDVIの関係について検討した。その結果、最高分げつ期のSPAD値とNDVI(場内試験、R2=0.96)、糊熟期のタンパク質含有率とNDVI(現地試験、撮影条件が異なった圃場1を除けば、R2=0.88)にはそれぞれ正の相関が認められ、デジタルカメラを用いたオンサイト・リモートセンシング技術による水稲の生育診断やタンパク質含有率推定が可能であると判断した。

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© 2008 システム農学会
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