システム農学
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ランドサットデータを用いた農業開発のための土地評価システム
―北スマトラ地域へのPATTERN法の適用―
秋山 侃深山 一弥ソエマルマン H.セティヨノ J.
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ジャーナル オープンアクセス

1987 年 3 巻 2 号 p. 74-89

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抄録

北スマトラの沼沢地帯(Photo 1, Fig. 1)の農業開発適地選定のために、人工衛星ランドサットの多重分光走査計(MSS)のデータを利用した3段階土地評価システムを提案した。この3段階土地評価システム(Fig. 2)では、保有するデータの種類や精度、画像解析のための施設の有無等に応じて、いづれかの土地評価のステップ(段階)を選択することができる。その第1ステップは、画像解析システムがない場合を想定したアナログ解析である。第2段階は、有効なグランドトルースデータが入手できない時に選択する方法で、全てランドサットMSSデータの解析の結果得られた4種類の主題図をPATTERN法によって結合させて評価するものである。PATTERN法(Planning Assistance Through Technical Evaluation of Relevant Numbers)は、メッシュデータに区切った各主題の要素毎に重み(点)を与え、これらを重ね合わせて総合点を求め、相対的な土地評価のクラス分けを行う手法である。第3段階は、総合的土地評価システムで、既存のデータおよびランドサット由来のデータを併用して、対象エリア全域を主題図別の500mメッシュに区切り、やはりPATTERN法によって農業開発適地を選定するものである。以上の各ステップによる解析結果はPhoto 2, 3及び4に6段階の土地評価を付して示した。これらの解析結果から判断して、信頼すべきグランドトルースデータをもたない途上国において、衛星データを使ったPATTERN法による農業開発適地選定の手法は、ひとつの有効な方法であると考えた。

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© 1987 システム農学会
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