システム農学
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研究論文
直交表を利用した33 X 4多因子計画の設計と解析
-臭化ダイオキシンBDE209の土壌と植物に与える影響実験-
亦如瀚塩見 正衞
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2017 年 33 巻 2 号 p. 37-46

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抄録

臭化ダイオキシンBDE209および、BDE209と交互作用をもつと考えられる有毒物質のカドミウムと水銀を補助因子として土壌に投与し、これら3種類の有毒物質が植物(ヨウサイ;蕹菜)および土壌に含有される量を検討する実験を行った。実験はL27(313)直交表をベースにして、BDE209、カドミウム、水銀は、それぞれ3水準の濃度とし、ヨウサイは4水準(4系統)とした。33X 4多因子計画で生じる108の処理組合せを36個ずつの3ブロックに分け、ガラス温室内でポットを使って乱塊法により実験した。この報告は、実験設計および解析方法を示すことを目的とし、解析は2項目(土壌中およびヨウサイ地上部のBDE209濃度)の例で示した。複数の有害物質が生物の成長に与える影響システムを調べる第1段階の研究では、少水準多因子要因実験を行うことに意味がある。環境に有害な物質は実験生物の成長や生存にも影響を与え、往々にして欠測が生じる。本実験で生じた欠測値は、欠測でなかった処理組合せのデータを用いて重回帰式を決定し、その重回帰式を使って推定・補充した。

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© 2017 システム農学会
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