システム農学
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シミュレーションモデルの評価
広岡 博之山田 行雄
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ジャーナル オープンアクセス

1989 年 5 巻 2 号 p. 55-64

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抄録
シミュレーションモデルの評価はシステム分析において重要な過程であるにもかかわらず、この過程はその困難さのためしばしば避けられてきた。本研究では、モデル評価に関連する概念とアプローチを再検討した。その結果、次のような事項が薦められた。1)モデルの評価は、確認(verification)と検証(validation)の2過程に分け、合理主義、経験主義ならびに実証主義の3つの立場すべてからなすべきである。2)モデルの検証は現実から測定されたデータを用いて客観的に行なうべきである。3)単回帰分析法やTheilの不等度の利用はモデル検証の客観的方法として有効である。4)モデルの検証過程では、モデルの妥当性を完全に証明することよりむしろモデルの有用性を評価すべきである。5)望ましいモデルの条件としては、広い範囲の適用が可能なこと、さまざな目的で利用できること及びモデルで用いられた以外のデータでその妥当性が検証されていることなどが考えられる。
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© 1989 システム農学会
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