The Journal of JASTRO
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限局性前立腺癌に対する高線量率小線源治療
第一報
北野 雅史西口 郁磯部 義憲入江 啓頴川 晋早川 和重
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2001 年 13 巻 3 号 p. 145-149

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抄録

【目的】前立腺癌の組織内照射は外照射に比べ空間的線量分布に優れ, 高い局所制御を期待しうる. 我々は前立腺癌の組織内照射を施行したのでその経験を報告する.
対象; 1999年6月から2000年8月までの8ヶ月間に組織内照射を施行1ヶ月以土経過観察された45例を対象とした. Tstageの内訳はT1: 14例, T2: 19例, T3; 10例, T4: 1例, 不明1例である.
【方法】硬膜外麻酔のもとTRUSを挿入し, テンプレートを用い経会陰約に計18本のアプリケーター針を刺入した. 刺入後CTを施行し, 線源停留部位の決定に利用した. 評価点は前立腺被膜の背側 (直腸側) 5mmとし, 1回4Gyに設定し, 総線量20Gy/5回/3日で行った. さらに多門照射または原体照射にて旧3Gy総線量30Gy/2週の外照射を追加した. 照射後の観察期間は1.5~14.4ヶ月で中央値は6.6ヶ月である.
【結果】全例予定どおり放射線治療を完遂できだ. Grade3以上の急性反応は認められなかった. 晩期反応はGrade3の直腸出血が1例認められた.
【結論】当院ではアプリケータ針の先端を膀胱内控まで購入し, また, 治療計画にCTを用いる事で針の3次元的な把握が行え, 良好な線量分布が得られでいる. 本治療法は治療を中断するような急性反応は認められず, 高齢者に対しても安全に施行できる治療法と考えられる.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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