2001 年 13 巻 3 号 p. 171-174
原発性肺癌の放射線治療中に無気肺の早期発見と照射野の変更に, 電子ポータル画像装置 (electronic portal imaging device: EPID) が有用であった一例を経験したので報告する. 症例は63歳女性で, 肺癌の右肺門部リンパ節転移に対し放射線治療が計画された. 照射開始5日目に無気肺の出現によって, EPIDで得られた画像がシミュレーションフィルムと相違を認めた. 照射開始から7日目, 無気肺の改善により再びEPIDで得られた画像がシミュレーションフィルムと相違を認めた. 無気肺の出現と改善に伴う照射野の変更の必要性は明らかであり, いずれも適切に対応することができた. EPIDは物理・技術的QAのみならず, 臨床的QAにも寄与すると考えられる.