The Journal of JASTRO
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早期声門部喉頭癌の放射線治療成績と予後因子の検討
鈴木 弦
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2002 年 14 巻 3 号 p. 167-173

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抄録

【目的】放射線治療が行われた早期声門部喉頭癌症例の治療成績を分析し, 局所再発とそれに関与する函子について検討する.
【対象濠舞法】1977年1月から1999年12月までに当院において放財線治療が施行され, 原則的に24ヶ月以上経過観察 (中央値61ヶ月) が可能であった早期声門部喉頭癌243例を対象とした. 男性229例, 女性14例で, 年齢は40才から90才 (中央値67才) であつた. T分類は, T1a; 93例T1b; 94例, T2; 56例であった. 放射線治療は60Co-γ線または4MV-X線を用いて照射した, 1991年以降は放射線治療前にLager減量術を儀用する事を原則とした. 患者, 腫瘍, 治療の各背景に含まれる因子に対して局所再発をエンドポイントとして予後困子を解析した.
【結果】37人の患者瀞局所再発し, 5年局所制御率は84.6%であった. 5年原病生存率は98.6%であった. 難変量解析では前交連浸潤, 扁平潰瘍型の腫瘍形態, Laser減量術の非供用が局所再発における有意難危険困子となった. T因子間では有意差は得られなかった (p=0.31). 多変量解析においでは腫瘍の前交連浸潤が局所再発の有意な危険因子となった (p=0.02). 多変量解析で有意差はみられなかったものの再発の危険因子を伴う腫瘍はLaser減量術を併用する事で良好な治療成績が導かれる可能性が示唆された.
【結語】根治的放射線治療を得った早期声門部喉頭癌において腫瘍の前交連浸潤が局所再発の危険因子となった.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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