The Journal of JASTRO
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CyberKnifeの照射精度
井上 光広大森 理江佐藤 健吾馬場 義美姫井 健吾武本 充広
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2003 年 15 巻 3 号 p. 177-185

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抄録

【目的】CyberKnifeを導入する施設は増加しているが, その精度について国内での報告は少なく, 特に線量次・線量分布についての報告は国内・国外において未だない. 今回, CyberKnifeの照射精度 (照射位置精度・線量及び線量分布・治療中の患者の動きによる影響) について, 検討を行ったので報告する.
【方法】照射位置精度: Gaf-filmをCubic Phantomと人頭型ファントムにセットし照射を行い, 計画装置上での線量分布の重心位置と, フィルム上の線量分布の重心位置とを比較し, システム限定と臨床に即した照射位置精度を求めた.
線量及び線量分布: R-2Filmをファントムにセットし照射を行い, 治療計画装置より取り出した線量データと, フィルム上の線量データとを比較し, 線量及び線量分布の評価をコリメータ・照射方法別で行った.
治療中の患者の動きによる影響: EDR-2Filmをセットしたファントムを常に移動しながら照射を行い, 線量及び線量分布に及ぼす影響を検討した,
【結果】照射位置精度: システム限定の照射位置精度は中央値0.31mm, 最大誤差0.44mm. 臨床に即した照射位置精度は0.30mm, 最大誤差045mmであった.
線量及び線量分布: コリメータサイズ・照射方法によらず良好であった.
治療中の患者の動きによる影響: 動きのないものと比較すると, 線量・線量分布とも多少の誤差は生じたが大きな影響は受けなかった.
【結語】今回評価した結果では, CyberKhifeの照射位置精度, 平面での線量及び線量分布の精度は良好であった. 今後, 線量及び線量分布の3次元での評価が必要である.

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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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