The Journal of JASTRO
Online ISSN : 1881-9885
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POTENTIAL DOUBLING TIME ASSAYED IN MOUSE JEJUNUM AND A MOUSE FIBROSARCOMA, FSa-II: DOUBLE LABELING WITH BROMODEOXYURIDINE AND [3H]-THYMIDINE
阿部 由直高橋 寿太郎福田 寛真里谷 靖
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1995 年 7 巻 3 号 p. 195-200

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抄録
ポテンシアルダブリング時間 (Tpot) を測定する目的で, プロムデオキシウリヂン (BrdUrd) と3H-チミヂン (dThd) による二重標識法を開発した. 測定例としてマウス小腸腺窩と実験腫瘍FSa-IIを用いた. BrdUrdと3H-dThdは, 1.5時間間隔で投与した. 同一切片からBrdUrdをモノクローナル抗体とABC法を用い染色し, 続いて3H-dThdをオートラジオグラフィーにより検出した. この処理によりBrdUrd単独と3H-dThd単独標識ならびにBrdUrdと3H-dThd両方の標識がはっきりと区別できた. それぞれの標識指数から, S期の長さ (Ts) とTpotを測定した. 小腸腺窩の3H-dThd標識指数, TsとTpotは, それぞれ29.4%, 5.4時間と17.1時間であり, これらの値は文献的にも一致した. マウス実験腫瘍FSa-IIの3H-dThd標識指数, TsとTpotはそれぞれ29.5%, 12.3時間と42.6時間であった. 腫瘍の体積倍加時間は2日であったので, 矛盾しない結果であった. この方法は, それぞれ標識された細胞が明瞭に区別されるので優れており, 照射による腫瘍の反応の予見ならびに正常組織の動態の研究に応用できる.
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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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