The Journal of JASTRO
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子宮頸癌放射線治療成績における治療日数の影響
兼安 祐子喜多 みどり唐澤 久美子福原 昇武本 充宏大川 智彦
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1996 年 8 巻 3 号 p. 239-249

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抄録
1969年から1993年までの25年間に, 当科で外部照射と腔内照射による根治的放射線治療を施行した子宮頸部扁平上皮癌377例の総治療期間による治療成績を分析し, 以下の結論を得た.(1) 子宮頸癌根治的放射線治療において総治療期間は重要な予後因子のひとつである.総治療期間を6週未満 (A群), 6週以上8週未満 (B群), 8週以上 (C群) に分類すると, I~IVa期全体では治療期間が6週以上に延長すると5年生存率は低下し, 予後は不良で各群間で統計学的に有意差を認めた (A・B群間: p=0.0176, B・C群間: p=0.0004).各病期別では8週以上の延長群 (C群) で有意な予後の低下を認め, 腫瘍の大きいIII・IVa期 (p=0.0056) ではI・II期 (p=0.0307) に比べて顕著であった.(2) 総治療期間の延長により骨盤内再発率が上昇する傾向にあった.すなわちIII・IVa期では一日当たり約0.7%の骨盤内制御率の低下を認めた.(3) 8週以上の治療期間延長の理由はI・II期では治療方針の変更が多く, III・IVa期では腫瘍に関連したものが多かった.(4) 晩期障害発生率は総治療期間により差が認められなかった.(5) 以上より子宮頸癌放射線治療においては, 外部照射期間中のできるだけ早期に腔内照射を行い, 総治療期間を6週未満に行うことが重要であると考える.
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© 1994 The Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
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